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MIKAN
蜜柑 短編物語 大山、鳥取県での記憶から、 Francisco de Goya - Vuelo de brujas (1798) ------------ 黒の奥にある黒ってなんだろう。 そんな事を思いながら流れる木々を目で追いかける。 ヘッドライトは黒に吸い込まれ、車の影はその場に置いていかれている。 「ついたよ。」 その言葉で車の中にいるのは自分だけではないという事に気がつく。 到着した家は以前から噂に聞いていた魔女が住むという家。 四方には背の高い木が生い茂り、その奥には開けた田畑がみえる。 そして家全体を覆い隠すような巨大な山を背にその家は佇んでいた。 丁寧に手入れされた玄関を抜けると、内壁一面に絵が描かれた広い居間と、いくつかの小部屋。 元々あったであろう壁を抜き、大きな一枚の木の机と本が詰まった棚。 誰かの気配と、暖かな匂いがする。 煙草を吸おうと庭に出ると、蜜柑が詰まった袋が無造作に置かれている。 いくつかの蜜柑は床に転がり落ち、足元で上を向いている。 何気なしに中を覗くと、その塊の右側の端一面が薄いふわふわの⻩緑色に覆われてい
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4月20日読了時間: 3分


A Radium Hot Spring Hidden in the Mountains of Kyoto
私はヨーロッパに長く住んでいたこともあり、引っ越しの際には必ず 「お風呂付き」 の家を探していた。 お風呂付きの家に引っ越せた時は周りの日本人留学生に自慢していたなぁ。やはり日本人はお風呂が好きな人が多いと思う。 それは日本は活発な火山帯の上に位置しているので、日本全国に温泉が存在するそうだ。今のところ日本全国47都道府県、全部に温泉があるそうです。(沖縄にも!) 日本の豊富な地下水、マグマの熱源、複雑な地質構造という3つの要素が揃って奏でられる。日本を訪れる機会があれば、是非この日本全国の温泉を体験して頂きたい。 Fudo Onsen — the red flags at the neighboring temple add to its eerie atmosphere. その中でも今日は、京都市左京区の山中にある 不動温泉 を訪れた。この温泉は28.83マッヘを誇る、京都の ラジウム温泉 です。28.83マッヘとは、全国的にもトップクラスのラドンの『濃さ』を証明する数値で、ラジウムが気化したラドンを吸入する入浴方法により微量の放射線が身体の
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4月20日読了時間: 4分


Why I Go North in Summer: Aomori
日本では流行り風邪というものがある。季節の変わり目に大流行するウイルスだ。その代表的な物の一つにインフルエンザがある。症状は普通の風邪と似ているが、38度を超える高熱が急にでる激しい症状が特徴だ。 かくいう私も今、1週間前からインフルエンザウイルスに侵されて高熱をサバイブしてきた側の人間だ。熱にうなされながらも、次回の旅のことを考えていた私は重症なのかもしれない。うなされながら、ちょうど、2年前の夏をなぜか思い出していた。青森の、あの爽やかで美しい夏を。 Oirase-Keiryu 青森は日本本島の最北端だ。県庁所在地は青森市、県の人口は約120万人。りんごが有名な農業産出県である。青森に行く目的は2つあった。ひとつは相方のNORIの展示会をみにいくこと。もうひとつはむし暑い日本の夏から少しでも脱したかったこと。新潟といい、わたしは夏には北へいくことを心がけているのだ。 青森には、おおくの美術文化施設がある。現代美術館、近代美術館、アートセンターが県内にならび、著名な作家の大型の野外彫刻も多い。全てを2泊3日で周ることは難しい。なので、奥入瀬
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4月20日読了時間: 4分


The Fire Ritual at Yoshida Shrine
「吉田神社の火祭り」 2月初めの京都は、まだ寒さが残っている。 そんな時期に、京都・左京区にある吉田神社では、毎年とても大きな「節分祭」が行われる。境内には人が集まり、屋台が並び、夜になると大きな火が焚かれる。夜遅くまで開かれているそのお祭りでは提灯が連なり、全体がとても神秘的な雰囲気に包まれる。 Yoshida Shrine Entrance 吉田神社は、「他の神社とは少し違う」と言われることが多い。 それは、この神社が、いま一般的にイメージされている神道とは、少し違う背景を持っているからかもしれない。近代以降につくられた、国家と結びついた神道の仕組みとは異なり、吉田神社に関わる吉田神道は、もっと古く、神道そのものをどう理解するかを理論的に考えようとした思想だった。ここでは神々は、親しみやすいキャラクターというより、宇宙や秩序の成り立ちを説明する存在として整理されている。「神道とは何なのか?」という問いに、かなり本気で向き合ってきた痕跡がある。 少し難しく聞こえるかもしれないが、普段の吉田神社は、ごく普通の神社でもある。厄除けや開運、学問、良
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4月20日読了時間: 3分


A Sauna Not Yet Found
佐渡島を訪れることは数週間前から決まっていた。宿も温泉も既存のウェブサイトを探索していたが、どうも心にぐっとくるところが見つからない。 なので私は、Googleマップの道路を、まるで実際に車で走っているかのようにカーソルを滑らして、どこかまだみつかっていないところはないかと探索していた。 そこで、日本海に面する島の北側に、ぽつんと書いてあるサウナという文字を見つけた。 なんだここは?ガイドブックには載っていなかった。いろんな人の旅のブログにも書いていない。胸が高鳴った。こういう瞬間が、旅の醍醐味の一つである。 目が覚めて一番に目に入るのは日本海だ ”新潟県の沖合に浮かぶ佐渡島。雄大で豊かな自然と多様な文化背景を持つこの離島に、ist - Sadoはあります。 左右に広がる紺碧の日本海、背後に背負う大佐渡の山並み。海から抜ける風、水平線に沈む太陽、 夜空に広がる星々、そして美しい夜明け。吹き抜ける風、草木のざわめき、海面にきらめく陽の光を全身で感じ、 自然とともに過ごす滞在を。’’ 佐渡の美しい海 上記は公式の文章だ。自然を五感で感じる場所であろう
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4月20日読了時間: 4分


Borrowed Scenery, Borrowed Time:Eating Shojin Ryori in Arashiyama, Kyoto
「借景の中で過ごすひとときー嵐山で味わった精進料理」 私は京都生まれで、高校を卒業するまでは京都で育った。その後、長い間ロンドンで生活していたが、コロナ以降、京都に度々、しかも長期で滞在することが多くなった。 京都は日本の中でも観光地として特に有名で、歴史的な場所も多く、訪れるべきスポットは数えきれないほどある。けれど子供の頃は「地元だから」という理由で、あえてそうした場所に行かないことも多かった。今回はそんな、これまで通り過ぎてきた場所のひとつ、嵐山にある天龍寺を訪れることにした。目的は、庭園内で精進料理を出している「篩月(しげつ)」。イギリスから遊びに来ている友人と一緒だ。 天龍寺は京都市内の西側、嵐山というエリアにある。嵐山はもともと平安時代から貴族たちに愛された場所で、自然に囲まれた土地だった。現在はすっかり観光地化されているが、それでも京都市内とはどこか違う。 昔、アメリカのディズニーランドは、外界からの情報を遮断し「夢の国」に没入させるために、盛り土や動線設計によって周囲の世界を視界から消す構造を採用した、という話を聞いたことがある。
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4月20日読了時間: 6分


SADO ISLAND -A Hidden, Serene Island in Eastern Japan-
佐渡島。それは美しい東日本の島。観光客がおらず、本当の美しい日本を体感できる場所。8月の東京の暑さからにげるように、新潟県西部に位置するこの島に向かった。 東京駅から新幹線で新潟県へ。新潟港からフェリーで約1時間の場所に佐渡島はある。西日本や北陸の文化が伝わってきたこと、貴族文化や武家文化、町人文化が一体となって、佐渡特有の文化を形成していったといわれる。 新潟にいる友人家族からの温かい歓迎をうけ、新潟港からジェットフォイルというフェリーで島へ向かう。この島で2日間滞在する予定だから、レンタカーと宿は事前に予約しておいた。後述するが、この宿が本当にすばらしくて、日本海を一望しながらサウナを楽しむことができる。このサウナがこの旅の1番の目的だ。 ジェットフォイルフェリーはとても豪華で、船内は食堂やアミューズメントコーナーなどもある。船の甲板からカモメに餌をあげている人が多いからか、カモメは風に乗り優雅に船と並走している。 甲板のベンチにリュックを枕に横になり、上に青空、真横にカモメ達と波音。旅の実感と共にすこし眠りにつく。 佐渡につきまずは駅中の
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4月19日読了時間: 3分
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